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雪の日の運行に関する留意点

冬季の雪道での運行は、送迎バスドライバーにとって特に注意が必要です。路面凍結や積雪による視界不良など、悪条件下で安全に運転するためには、具体的なデータや事例を理解し、適切な対策を講じることが重要です。本記事では、雪の日にバスを安全に運行するためのポイントを、具体的なエビデンスとともに解説します。

雪道での安全運転のポイント

・制動距離の延長:雪道や凍結路では、路面が滑りやすくなるため、制動距離が大幅に伸びます。日本自動車タイヤ協会の試験によれば、スタッドレスタイヤを装着した普通自動車が時速40kmで走行した場合、乾燥路での制動距離は約7.9mですが、圧雪路では約21.0m(乾燥路の約3倍)、凍結路では約78.7m(乾燥路の約10倍)に達します(tenki.jp)。このため、速度を落とし、通常よりも十分な車間距離を確保することが不可欠です。

・急操作の回避:急発進、急ハンドル、急ブレーキといった「急」のつく操作は、スリップや横滑りの原因となります。特に、雪道で強くブレーキを踏むとスリップを招く可能性が高いため、ブレーキはソフトに踏み、徐々に停止するよう心がけましょう(mitsui-direct.co.jp)。

・カーブや下り坂での注意:カーブ手前では早めに減速し、ゆっくりとハンドルを操作して曲がります。下り坂ではエンジンブレーキを活用し、フットブレーキは断続的にやさしく踏むことで、車輪のロックを防ぎます(cbr.mlit.go.jp)。

タイヤチェーンの使用タイミングと注意点

滑りやすいと感じたら早めにチェーンを装着します。チェーン装着中は速度を控えめに(時速30km以下を目安)走行し、異常な振動や異音を感じたらすぐに安全な場所に停車して点検しましょう。雪道を抜けたらチェーンを外し、路面やチェーン自体の損傷を防ぎます。

雪道運転時のスケジュール管理

・余裕を持った出発:雪の日は通常より走行に時間がかかるため、普段より早めに出発してスケジュールに余裕を持たせます。事前に天気予報や道路情報を確認し、高速道路の通行止めやチェーン規制、渋滞予測などを把握しておくことも大切です。必要に応じて運行ダイヤを事前に調整しましょう。

・遅延への対応:遅れを取り戻そうとして無理な速度を出すのは禁物です。遅延が避けられない場合は、管理者や受け入れ先に早めに連絡し、状況を報告します。乗客にも適宜アナウンスで雪による遅延を説明し、理解を求めます。焦らず安全運行を徹底しましょう。

緊急時の対応(事故・故障・立ち往生)

・事故・故障時:まず乗客の安全確認と必要な救護を行います。可能な限り道路の端に寄せて停車し、ハザードランプを点灯しましょう。発炎筒や三角表示板を設置して後続車に注意喚起します。その上で会社や警察に速やかに連絡し、必要に応じて救援を要請してください。

事前の準備(バスの点検と必要な装備)

・車両点検:出発前に車両を入念に点検しましょう。特に以下のポイントは要チェックです。

  • タイヤの確認:スタッドレスタイヤの溝が十分にあるか、摩耗していないか確認。溝が50%摩耗すると制動距離が約1.5倍に伸びるとされています。
  • ブレーキの動作確認:冷えた状態でブレーキの効きが悪くないか、ペダルの踏み込み具合を確認
  • ライト類:ヘッドライト、ブレーキランプ、ウィンカーが正常に点灯するかチェック。雪道ではライトの可視性が低下するため、必ず点灯して走行する。
  • ワイパーとウォッシャー液:降雪時にフロントガラスが見えなくなるのを防ぐため、ワイパーのゴムが劣化していないか、不凍液入りのウォッシャー液が十分あるか確認。

・装備の準備:以下の装備を車内に備えておくことで、万が一の事態に対応しやすくなります。

  • タイヤチェーン:正しく装着できるよう、事前に練習しておく。
  • スコップ:立ち往生した際に雪を掻き出すために必要。
  • 牽引ロープ:他の車両や作業車に引っ張ってもらうため。
  • 滑り止め用の砂やマット:発進時にタイヤが空転した際の対策。

最後に、運行前に最新の天候・道路情報を収集し、必要に応じて運休や迂回の判断を会社と共有しておきましょう。


まとめ

冬の雪道での運行は、慎重な運転と適切な準備が求められます。特に制動距離の延長や路面状況の変化に気をつけ、無理のない運行を心がけましょう。乗客の安全を守るためにも、事前の準備を怠らず、緊急時の対応を想定しておくことが大切です。送迎バスドライバーとして、日々の安全運行を徹底し、雪の中でも安心して運行できるようにしましょう。

代表取締役 青木 淳