
強風時のバス運行:安全のために知っておくべきポイント
バスの運転中に突風でハンドルが取られたり、車体が大きく揺れたりした経験はありませんか?強風は雨や雪と同じように、運転に大きな影響を与える要因の一つです。とくに横風による車体のふらつきや横転のリスク、突風による飛来物の危険は見逃せません。本記事では、強風時のバス運行における重要なポイントをまとめました。ドライバーの皆さんが安全運転を心がけるために、ぜひ参考にしてください。
風速とバス運行への影響
気象庁の基準では、風速10m/s以上で「強風注意報」、15m/s以上で「強風」と定義され、20m/sを超えると暴風とされます。風速15m/s程度でも高速道路では横風により車体が流される危険があり、ハンドル操作に注意が必要です。特に、風速20m/sを超えると橋梁や高架道路の通行止め基準に達し、走行自体が困難になります。強風の影響を受けるのは特に以下のような場所です。
- 海沿いや山間部の道路:遮るものが少なく風が強くなりやすい
- 橋の上や高架道路:横風が直撃し、ハンドルを取られる危険あり
- トンネルの出口:突然の風圧変化で、急に車体が揺れることがある
- 市街地の交差点:ビル風により局所的に強風が吹くことがある
強風がバス運行に与えるリスク
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横風による車体のふらつき・横転の危険
バスは大型車両のため、側面の風を受ける面積が広く、特に突風にあおられやすい。高速走行中に横風を受けると、ハンドルを取られるだけでなく、最悪の場合横転の危険もある。 -
突風による急な進路変更のリスク
予測不能な突風が吹いた際に、急に車線から逸脱してしまうことがある。風の強い場所ではハンドルをしっかり握り、姿勢を安定させることが重要。 -
飛来物の危険
強風時には看板、枝、ゴミなどが飛んできてフロントガラスに衝突する可能性がある。特に風速15m/sを超えると飛散物が増え、高速道路では前方視界を妨げることもある。 -
乗客の安全確保が難しくなる
強風でバスが揺れると、立っている乗客が転倒する可能性があるため、注意喚起が必要。走行中に揺れを感じたら、マイクでアナウンスを入れるとよい。
強風時の安全運行のための対策
① 出発前の天候チェック
- 気象情報を確認し、強風注意報・警報が出ているかをチェック
- ルート上の風速情報を事前に調査(特に橋や高架道路の状況)
- 運行管理者と情報共有し、運行の可否を判断する
② 風の影響を受けにくいルートを選ぶ
- 高架道路や橋梁が多いルートは避け、できるだけ低地を走る
- 海沿いや開けた道路を避け、風よけになる建物の多いルートを検討
③ 速度を落とし、安全運転を徹底
- 強風時はスピードを控えめに(風速15m/s以上なら50km/h以下推奨)
- 橋やトンネルの出口では、あらかじめ減速しておく
④ ハンドル操作に注意し、急な動きを避ける
- 強風を受けたときに急ハンドルを切らない(逆に不安定になり危険)
- 風向きを予測し、必要ならあらかじめ風上に軽くハンドルを切る
⑤ 安全な場所で待機する判断も
- 瞬間風速が20m/sを超えるようなら、無理に運行せず安全な場所で待機
- 高速道路ではパーキングエリアやサービスエリアを活用し、運行管理者と相談の上、運行継続の可否を判断
まとめ
強風は見えない危険ですが、しっかりと備えることで安全運行を確保できます。
- 事前に天候と風の強さをチェック
- ルートや運転方法を工夫し、風の影響を最小限に抑える
- 無理な運行をせず、安全を最優先にする
引用文献一覧
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気象庁「強風・暴風に関する基準」
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国土交通省「高速道路における強風時の通行規制基準」
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NEXCO東日本「高速道路における強風対策と規制基準」
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日本自動車連盟(JAF)「強風時の安全運転マニュアル」
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所「強風が自動車運転に与える影響」
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東京都建設局「橋梁の安全対策と風速基準」
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交通安全環境研究所「自動車の横風安定性に関する研究」
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日本気象協会「横風の影響と対策」
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道路交通法(警察庁)「道路交通における風速基準と安全対策」
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自動車技術会「車両の空力特性と横風の影響に関する研究」
株式会社カノン・エージェンシー
代表取締役 青木 淳