「ピンチはチャンス」について考える
世間はWBCムードになりつつあり、昨晩も大谷をはじめとするメジャーリーガーたちが参加した強化試合が行われた。結果は振るわなかったものの、野球を通してビジネスとの共通項を改めて感じる機会となった。
「ピンチはチャンス」。
スポーツではよく聞く言葉だ。
しかし、野球においてピンチの次の回が必ずチャンスになるわけではない。
先頭打者が出塁しなければ、流れはなかなか変わらない。
意気消沈しかけたチームの空気、個々のメンタルの状態――それらは確実に次のプレーに影響する。
だからこそ、次の回に先頭が出塁するかどうかは大きい。その一つの結果が、チームの雰囲気を上昇させるか、さらに下降させるかを左右する。
だが本質は、単なる結果ではない。
重要なのは、「次の一手」をどう打つかという姿勢である。
気持ちを切り替え、どう攻めるのかを考え、実行すること。そして、それを一度で終わらせず、続けること。
先頭打者の出塁の後、続く打者がつなぐ。継続してこそ、流れは本当に変わる。
この「次の一手」とは、言い換えれば仮説だ。
どうすれば流れを変えられるのか。
どうすれば勝ち筋を作れるのか。
その問いに対して仮説を立て、実行し、検証し、修正していく。
もし検証の結果、想定と違っていれば、また次の仮説を立てる。
そして再び実行し、検証する。
その繰り返しこそが、流れを変える力になる。
ビジネスも同じである。
ピンチが訪れたとき、不安や弱気に支配されるのではなく、課題を冷静に見つめ、次の一手を描くこと。
そしてそれを実行し、継続し、必要であれば修正すること。
勝利を阻む障壁に対して、仮説を立て、検証を重ねる。
その積み重ねこそが、流れを変える。
そして何より大切なのは、同じ目的に向かって方向を共有することだ。
指揮官は単に戦略を示すだけではない。
チームが同じ方向を向き、迷いなく一歩を踏み出せる空気をつくる存在である。
ピンチの場面で問われるのは、精神論ではない。
次の一手を描けるかどうか。
そして、それを継続できるかどうか。
野球もビジネスも、チームの原理は変わらない――そう感じた今日この頃である。
株式会社カノン・エージェンシー
代表取締役 青木 淳