
現代の高齢者は昔より若い?――データで読み解くシニア層の「若返り」と働く意義
背景
かつては60歳で定年を迎え、そのままリタイアするというのが一般的な退職モデルでした。
しかし今、時代は変わり、65歳を過ぎても「若々しく」活躍するシニアが増えています。
ここでいう「高齢者」とは、一般的に65歳以上の方々を指し、65~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と定義します。
昔と比べて高齢者は「10年若返っている」
近年の研究では、現代の65歳は1980年代・1990年代の同年代層に比べて、約10年分若い体力や認知機能を維持していることがわかっています【※JAGES, 2024】。
この「若返り」の背景には、医療技術の進歩、バランスの取れた食生活や運動習慣の普及、そして社会参加の増加が大きく関係しています。
特に、定年後も働いたり地域活動に参加したりすることで、心身の活性化が促され、結果的に若々しさが維持されているのです。
JAFの報告によれば、75歳前後までのドライバーは十分な運転技能を維持しており【※JAF, 2023】、当社でも定期的なチェックを行いながら安全性を確保しています。
無理なく働き続けることの若さへの影響
最後に、これはお客様だけでなく、当社で働く従業員の皆さまにもお伝えしたい点です。
働き続けること自体が、心身の若さを維持する一つの大きな要因となります。
当社では「セカンドライフ」を大切にし、シニア世代の平均労働時間を約5時間以下に抑えています。
これにより、無理なく社会参加を続け、心身の若々しさを保ちながら働ける環境を整えています。
社会とのつながりを持ち続け、やりがいや役割を持つことで、より長く健康で充実した日々を送ることができるのです。
つまり、かつてのように一律にリタイアするのではなく、柔軟な働き方を続けることで、身体的にも精神的にもより若さを維持しながら日々を送ることができると言えます。
参考文献
・厚生労働省, 2024年. 「高齢者の健康と生活に関する全国調査報告書」.
・日本老年学的評価研究(JAGES), 2024年. 「加齢に伴う身体・認知機能の変化に関する長期縦断研究」.
・日本自動車連盟(JAF), 2023年. 「高齢ドライバーの運転技能評価報告書」.
株式会社カノン・エージェンシー
代表取締役 青木 淳